警察学校日記
1日で起きたことを複数日にまたがって、日記にしています。そのため、時間軸がずれています。
課外へ延長
4/15(月) 地獄の課外
入学式へ向けた練習が終わった。時刻は5時15分。
会社員のように自宅へ帰宅したい。
他のクラスが寮へ帰っていく中、助教がグラウンドの奥へ整列するよう指示を出した。
斉藤教官は下を向きながら
「やってくれたよな」
小さな声だったが、数秒後に突然、グラウンドを飛びぬけて帰宅途中の会社員も振り向くような怒りに溢れたトーンで繰り返した。
「やってくれたよなぁ!」
すかさず誰かが
「すいません」と言い始めたのをきっかけに、教場全員が大声で
「すいませんでした」と発した。
4/16(火) 課外へ延長2
「てめーら高卒以下なんだよ」
「忘れた奴前出ろ」
白手を忘れた3人が前へ出た。
「何が忙しくてだよ?みんな時間ねーんだよ」
「他の奴らが出来て、何でてめーら出来ねーんだよ?」
普通に考えれば、確認不足だ。確認を徹底する対策を入れる。これで次回、忘れ物をしないようにするのが冷静なやり方だろうが、言える雰囲気ではない。
「何とか言えよ。市民に何か言われても黙ってんか?」
「よぉ、おまわりさんよ、答えてくれよ」
深くかぶった制帽のつばの奥に見える鋭い眼光が、俺たちを凍らせていた。
4/17(水) 責任の行方
俺は白手を忘れていなかったから、傍観していたかというとそうではなかった。
忘れた3人のうち1人である倉田がうちの班員だった。奴の確認をしてやれば良かったと後悔していた。確認できるだけの時間は多少なりともあった。しかし、他人の心配より自分の服装・持ち物チェックを優先させてしまった。
「班員の忘れ物も確認できない班長は誰だ?手を上げろ」
俺は、恐る恐る手を挙げた。
4/18(木) 責任の行方2
「藤原、お前は授業前の休憩時間に何やってたんだ?」
「服装と持ち物の確認をしてました」
「班員の確認もしたのか?」
「一応、やりました」
本当のことを言えば良かったと思ったが、こういう状況だとオレはいつも逃げてしまう性格だった。
「一応!?倉田が出来てねーじゃねーかよ。偉そうなこと言ってんじゃねーぞ、てめぇ」
「すいません」
忘れた奴から班長、そして副総代へと責任追及が1時間くらい続いた。その間、助教はずっと「姿勢を正せ」などと問い詰められていない奴らに後ろからこっそり見張っていた。
4/19(金) ペナルティは助教
1時間くらいの説教が終わった後、教官は助教を呼んだ。
「関根助教、あとはお願いします。私は行きますので」
「分かりました」
助教に託した教官はグラウンドを去った。
助教はバービー100回を指示した。
だいたいこういうことが待ってるのは承知の上だが、意外にバービー100回ってキツイ…
「二人一組になって、手押し車でグラウンド2週しろ。終わった奴から寮に戻れ」
グラウンド1週250mはある。2週だから500m!?
俺は、悲壮感で涙も出そうな表情をしていたと思う。
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