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警察学校日記

 1日で起きたことを複数日にまたがって、日記にしています。そのため、時間軸がずれています。

通常点検の焦燥

4/22(月) 注意

 「倉田、次からお互いに確認し合おう。次、忘れたらやばいぞ」
 班長として何かしらの対策を取らなければならないなと思っていた。
 「ああ、分かった」
 「あと、自分が用意できたからって、先に行くな。もし、行くなら班員に声をかけていけ。たまにお前が先に行っているのかいないのか不安になるときがある」

 倉田と言えば俺は忘れない。入校初日にこっぴどく怒られてたからな。

4/23(火) 通常点検

 毎週月曜日は、午前8時から通常点検と呼ばれるものがある。簡単に言えば、教練要素と持ち物確認、適切な点検のチェックといったところだろうか。その場には俺ら432期だけでなく、431期の先輩や434期の高卒組も一緒にいる。
 ただ、俺たちは警察手帳や拳銃の操法の点検については行わない。まだ、教練やけん銃の授業でやっていないからだ。
 一昨日の土曜日にあんな失態をしてしまった以上、今日の通常点検は問題無く通り越したい。

4/24(水) 通常点検前の焦り

 かなり急いでいた。
 「時間なくね?」

 俺は班員と時間の無さに焦っていた。今日は清掃が無いとはいえ、朝点呼であの教官が時間を費やしすぎていた。
 7時10分に終わった朝点呼から走って寮に戻り、班員と食堂へ向かったが、食事を終え戻ってきたのは、7時30分だった。
 副総代が遅刻をしないように10分前に第4清明寮裏側に集合と決めていた。

 歯磨き、ひげそり、着替え、確認チェック、抜き打ち清掃点検のための掃除、戸締りとやることは多かった。

4/25(木) 倉田がいない

 10分前には第4清明寮の裏側にいないといけないということは7時45分にはいないと他の奴らから言われてしまう。

 俺は着替えが終わり、清掃と確認チェックだけになっていた。
 班員の赤井が問いかけてきた。
 「倉田は?」
 残るもう一人の班員である毛利が答えた。
 「アイツ、今日、教場当番だから、生活日誌を提出に行ったんじゃない?」
 そうだ!今日は倉田が教場当番だった。毎日の生活日誌の提出は教場当番がやると教場で決めていた。
 7時40分になっても倉田は帰ってこなかった。

4/26(金) 先に行ってるぞ

 7時45分になってようやく倉田が戻ってきた。遅いと言いたかったが、教官室はこんな時間になってしまうほど、面倒なところだというのは俺も自覚していたから責める気にはなれなかった。
 「おい、掃除はしといてやった。早く着替えろ」
 俺たち、班員は倉田しか出来ないこと以外は済ませておいた。

 時刻は7時51分になっていた。
 「倉田、持ち物大丈夫だよな?」
 「大丈夫。大丈夫」

 倉田を除く俺たち3人は先に集合場所へと向かった。集合場所に着いた俺は副総代から「遅いよ」と言われた。
 時刻は7時55分を過ぎ、副総代がしびれをきらしていた。

 「倉田は何やってんだよ?藤原、あいつすぐ来るんじゃなかったの?」
 俺だって同感だ。何でこんなに時間かかってんだよアイツ。副総代は時間がないため、グラウンドへの移動を決意した。
 「もう時間がない。取りあえずグラウンドに行こう」

 副総代は声を掛ける。
 右向け右。駆けあ~し。すすめ。
 歩調~歩調~歩調~そーれ、1、1、12…
 3組は倉田がいないまま、グラウンドへ向かった。
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