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警察学校日記

 1日で起きたことを複数日にまたがって、日記にしています。そのため、時間軸がずれています。

退職勧奨2

6/28(月) 特別授業は特別

 この特別授業は、警察学校長がわざわざお願いして来てもらった講師の授業なのである。単独授業ではなく3クラス合同の授業だ。

 寝たらヤバいことになる。これは普通の授業なら手痛いしっぺ返しが待っているが、外部講師の授業なら平気だと思う同期が大方を占めていたと思う。
 運悪いことに、特別授業の前は武道だったのだ。ちなみに他のクラスは教練である。唯一3クラスのうち1クラスのみ座学だった。

6/29(火) 暗黙の了解

 俺たち学生の間では特別授業なら寝てしまっても大丈夫という暗黙の了解ができていた。隣の奴が寝ていても
 「起こさなくてもいいか」
 という具合になるのです。

 そういう雰囲気の中、私はといえば、寝ないように気を付けていた。もちろん、全ての授業でそれが出来たかといえば、それは無理なことだ。過去に何度か寝てしまったこともあったし、強烈な睡魔に襲われることもあった。

6/30(水) 背中の違和感

 合同授業は80分であるが、だいたい20分くらい経った頃であろうか………
 俺は大教室の後方の方に座っていたが、誰か後ろにいるような感覚を味わった。

 「誰だろう…コイツ」

 それは、警察学校長だった。俺の横目が捉えた。
 ヤバイ

 それも当然で、寝ている奴やウトウトしている奴が多かったのである。まぁ、授業の内容自体がつまらなくてしょうがなかったというのもあるが、さすがにマズイなと思った。
 学校長は10分くらいしていなくなったのである。正式に言うと気配を消した。

7/1(木) 殺気

 警察学校長がいなくなってからわずか数分で、殺気を伴った気配を感じた。
 横目で後方をちらっと確認すると

 8、9人の補佐、教官、助教がいた。

 めっちゃヤバいことが起きているということは分かったが、何よりも事の重大性は、普通来ることのない補佐(警部)までもがきていることである。もう授業どころではない。授業が終わった後がどうなるのかもう不安でしょうがない…

 それでも授業は続いているので、寝ないように気を付けていた。
 しかし、俺は認めたくないのだが、30秒くらい記憶がない。ほんのうっすらだ。こんな時に限って最後の10分間くらい睡魔に襲われたのである。でも、俺は寝ていない。睡魔に襲われながらも必死に戦っていたんだ。

7/2(金) 学校長は情けない

 授業終了後、警察学校長が壇上に上がった。

 「君たちのためを思って、わざわざ呼んだ講師の授業を見に来てみたら、ひどい有様だ。これが君たちに自給2000,3000円を払っているとは思えない。あまりにも意識が低すぎる。それはたしかに、私だって眠くなるときはある。しかし、授業開始20分で寝ている学生がこんなに多くいるなんてことはあり得ない。君たちは、この授業だったら寝てもいいんだと思っているんだ。思っていなかったら20分で寝るわけない。!私はそういう気持ちを抱いている君たちがいるということが、情けない」

 重く轟くようなトーン、初めて見た学校長の剣幕を感じた。

 そして、補佐・教官たちに最後の一言を告げた。
 「まぁ、学生たちも反省しているだろうから、そう怒らんでくれ。頼むよ」

 それに淡い期待も抱いた。
 しかし一方で、お笑い芸人のフリだとも思った。
 やるなよ = やれ みたいなことだと。
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