警察のピラミッド社会 警察官になるには?と考える前に

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ピラミッド社会

巨大組織約27万人

 全国にいる警察官は約27万人。重大な国家権力を握る組織には、それを秩序立たせる階級制度があります。立場、職務、命令系統などを明確にしておく必要があるからです。
 警察には、9つの階級があります。巡査、巡査部長、警部補、警部、警視、警視正、警視長、警視監、警視総監。

 90% ― 巡査・巡査部長・警部補
  5% ― 警部
  2% ― 警視
  3% ― 警視正・警視長・警視監
  1人 ― 警視総監

 このピラミッド型が崩れることはないのである。なぜならば、それぞれの定員は定められているため、それを超えることは許されていないのです。現場で感じるのは警部補と警部の差が大きいことである。警察署では警部の幹部扱いとなり、非常に大きな権限もある。いわゆる課長レベル(大規模警察署刑事課等であれば課長補佐)である。

厳しい昇任の道のり

 階級を上げるには、昇任試験に合格すればいい。ただ、この昇任試験を合格するのが難しい。なぜなら、定員が決まっているため、ある一定の点数以上を取ったら、全員が昇任できるわけではないからである。絶対評価ではなく、相対評価である。これは非常に重要なことである。そして、相対評価は現場の雰囲気からも感じる。何をやるにしても同期と比較されるのである。また、仕事ができないと同期はおろか後輩とも比較されてしまう。ここが警察における相対評価の辛いところだ。常に比較されるというプレッシャーを抱えなければならない。ただ、念を押しておくが、出世に興味ない人は、プレッシャーを感じる必要性はない。
 昇任試験においてペーパー試験があるのは、原則、警部昇任試験までである。実に警察人生において出世を考えたときに3回もハードルを乗り越えなくてはならない。そして、警視昇任試験以降は、上層部の推薦や人格・能力を考慮して昇任という形になる。つまり、上層部にとって警察組織に適格な人材しか昇任できないような仕組みになっている。

キャリア警察官

 国家公務員採用1種・国家公務員採用総合職の警察庁に採用された警察官は、地方公務員として各都道府県で採用された警察官とはことなり、キャリア警察官と呼ばれている。
 彼らは、入庁時点で警部補の階級で、そのご警察大学校卒業後に警部になる。だいたい7~8年くらいで警視、退職までに最低でも警視長、警視監になる。なんといっても出世のスピードがノンキャリア警察官と比較して、大きな差がある。しかも、無試験で昇任していくのである。

懲戒処分者の行方

 懲戒処分や不祥事を起こした警察官は、99.9%以上が退職する。一般的に見て、停職1週間などと1週間我慢した後に仕事をまた始めればいいではないかと思うのだが、警察は組織で動くところだ。たしかに一人の警察官に与えられている権限は大きいし、行使もできる。しかし、それをバックアップする書類作り、照会作業、分からない仕事のサポート支援は期待できない。つまり、まわりの警察官が協力をしてくれないだろう。警察組織に泥を塗った不届きものであるからだ。法律でも「上司の職務上の指示・命令を拒否することはできない」という趣旨の文言がある。公務員と言えども厳しい世界なのである。だからこそ、自制心のある人が求められるだろう。